スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『流星ひとつ』(水玉文庫)

13/10/20
水玉文庫

○『流星ひとつ』
本屋さんに行ったら「沢木耕太郎・緊急出版・藤圭子」と書かれてた札の下で、夜空の色をした本が平積みになっていた。

沢木耕太郎『流星ひとつ』(新潮社)

藤圭子さん引退直前の、1979年秋のインタビュー。
それはホテルニューオータニ42階のバーで行われ、藤さんが飲まれたウオッカ・トニックにあわせて、本は「一杯目の火酒」「二杯目の火酒」…「七杯目の火酒」「最後の火酒」と構成されている。

この本を手にとり、購入しようと思った理由は二つある。
一つは後記に沢木さんが31歳の時に『テロルの決算』を書き上げた歳だとあったからである。
『テロルの決算』は、今手元にないので正確ではないのだけど、17歳の山口乙矢と61歳の浅沼稲次郎を書くにあたり、この年齢でなければ書けなかったと、あとがきに書いてあった。対象をどう描くかということに、著者の年齢が左右することを、私に意識させてくれた印象深い作品であり、だからこそ、その年齢で書かれたというこの本を読んでみたいと思った。
もう一つは、以前勤めていた先で、錦糸町で流しをやっていた頃の藤圭子さんが歌っているというレコードをきいたことがあり、私は彼女が誰もが知っている素晴らしい歌手であったことを知らない世代で、ただ「錦糸町で流しをしていた」ということに、どういうふうに生まれ育った人なんだろうという深い関心を持っていて、またその最期のあり方にも強い衝撃を受けていたからである。

沢木さんが「ノンフィクションの「方法」」を日夜考えていた頃の作品という、この本は、地の文のない、二人の会話だけで構成されている。
それは、沢木さんの質問に対し、厳密な言葉で自分を語っていく、藤さんの、あまりにも真っ直ぐな、沢木さんの言葉でいえば「水晶のように硬質で透明な精神」が浮き上がってくる。

そんな彼女について語ることはできない。ただ彼女の真っ直ぐな魂とその在りし日の一夜を知って欲しい。
スポンサーサイト
プロフィール

きょうの目

Author:きょうの目
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。